マンションの修繕積立金について

少し前の『住宅新報』という新聞に、マンションの修繕積立金の額について

国土交通省ガイドラインを発表したという記事がありました。


これは、修繕積立金の目安額を示したガイドラインで、

マンション分譲事業者が新築時に提示する積立金の月額が著しく低く設定され、

結果十分に積立金を積立てられず、将来の修繕工事費が不足するような事態が

生じているとして策定されたようです。


今後、マンション購入予定者が、修繕積立金の額が妥当かどうかなどについて

判断する際の材料として活用されることが期待されているそうです。


因みにガイドラインでの月額は1㎡あたり200円前後だそうです。

(マンションの規模などにもよりますが)

70㎡なら14000円でしょうか…結構かかりますね。


ところがリクルートが2009年に行った調査では、首都圏での新築マンションの

修繕積立金の当初設定額は毎月平均7000ほど、1㎡では95円だそうです。

70㎡だと、なんと6650円。

ガイドラインから大きくかい離しています。


この理由、実は積立金の積立方式には

『均等積立方式』と『段階増額積立方式』があるらしいのですが、

新築マンションの場合はほとんどが購入者の当初の月額負担を軽減するために

『段階増額積立方式』を採用しているらしいのです。


なぜ、分譲マンションの新築事業者がこのようなことをするかといいますと、

目先の費用を抑え購入者が購入しやすくするためといっても過言ではありません。

『本当に大丈夫?この額で…』というくらい修繕積立金の安い物件ありますよね…


積立金が足りず一時金の徴収などを行ったマンションは21%もあるそうです。

まるで購入者の財産の将来を軽視したような話です。


このため、ガイドラインでは『均等積立方式』が望ましいと言及し、

重要事項説明で説明する際、ガイドラインを活用するように促しているようです。


が・・・、

実務的には重要事項説明は本当に購入の直前(契約前)に行われますので

その時に説明されても…遅いような気がしますが…