底地権

あまり一般の方に馴染みのない不動産に『底地権(そこちけん)』があります。

先日、借地、底地の取引をさせていただきました。


『底地権』とは、かんたんに言えば借地権のついた建物が建っている土地の権利です。

自分の土地でありながら、自由に使えない土地の所有権です。


底地を所有する方は、古くからの地主さんがほとんどです。

底地権の反対は借地権。

つまり地主さんから土地を借りてその上の建物を所有する権利のことです。



また、底地はほとんど流通しません。

たとえあっても一般に流通することはほとんどありません。


ほとんど流通しない理由としては、

①一般の買主が圧倒的に少ないので、そもそも流通しない。

②数百坪といった大きな一団の土地で形成されている場合が多い。

③住宅ローンが借りられない。


などが挙げられます。


①底地の買主はどんな方でしょう。


底地の取引は、ほとんどが借地人に敷地を買い取ってもらったり、

等価交換するのが一般的です。ですので市場にあまり出てきません。


借地人にその気や資金がない場合、第三者に売買することになりますが、

そもそも底地には他人の建物が建っていますので、

所有してもご自身で使用できません。


地代をもらえますが、利回りに換算すると2%くらいでしょうか…

預金の金利よりマシですが、預金よりはるかに流動性が悪く、

価値もわかりにくいため、有効な投資になりません。


ほぼ確定利回りで魅力的すが、一般の投資家の方は

手を付けにくいといえます。


②底地の所有者は昔からの地主がほとんどです。

だから、数軒、数十軒の建物にまたがっている場合が多い。

そのままでは個人の住宅用地として大きさも妥当ではありません。


③住宅ローンで買えません。建物は他人(借地人)のものですから、

底地自体は住宅ではありませんからね。

借地権者が買い取る場合、銀行によっては融資する場合がありますが、

簡単ではありません。



以上のことから底地権の売買は、借地権者との取引ができない場合、

売主=地主、買主=プロの買取業者 の図式が出来上がります。



買取業者は、買取後(中)底地と借地の整理をします。

つまり『所有権』にするのです。

すぐにまとまらない場合、数年、数十年かかるかもしれませんね。

それまで時間貸駐車場にしたり…


その後、整理できたら建売業者やマンションデベロッパーに土地を卸します。

晴れて所有権となり商品として住宅用地、建売用地となったりします。