両手仲介

久々の更新です。

書いてる最中に7月になってしまいました。



今日は両手仲介について。


結構知らない方が多いのですが、

ほとんどの不動産仲介には、不動産仲介業者が2社介在します。

売主側の業者と買主側の業者です。


つまり、お客様の立場からわかりやすいようにいうと、

売却の依頼を受けた不動産仲介会社と、

購入の相談を受けた(案内してもらった)不動産会社になります。



不動産売買を経験された方ならわかるかもしれません。

契約書を見てください。不動産会社のハンコが2社あると思います。

これが不動産仲介では一般的なのです。(共同仲介)


これに対し、不動産仲介会社が一社しか介在しない取引が

いわゆる『両手仲介』です。




実は、今月当社で取引した物件も、先月取引した物件も、

いずれも『両手仲介』でした。


両手仲介をすると、一つの取引で仲介手数料が倍もらえます。

2社でする取引を一社でするわけですからね。


もちろん、当社は意図的に両手仲介をしたわけではありません。


アベノミクスの効果でしょうか、結果的にそうなっただけです。

売主様、買主様、弊社、みなWIN・WIN・WINでしたが、

正直、私は複雑な思いでした。



これが業者同士ですと、業者は『仲介手数料=経費』と割り切っていますので

いいのですが。。



もちろんもらってはいけない報酬ではありませんし、

共同仲介で2社介在してもお客様が支払う金額は変わりませんし、

媒介契約の内容に基づきしっかりいただきましたが。。



この両手仲介は日本の独特な風習だと聞いています。

欧米などでは両手仲介(双方代理)を禁止しているくらいですから、


昔から日本では、不動産仲介を『仲人(なこうど)』的な仕事と考え、

双方の意見を聞き纏める世話人のように考えてきました。

(だんだん欧米化してきて仲介業者も『請負人』『交渉人』のような

立場になってきましたが)


この両手仲介の風習こそが、日本の不動産取引をあやしくしている原因なのかもしれません。

両手仲介が可能だと売主にとってさまざまな弊害が出てきます。


理由は、どちらからも手数料がもらえるので仲介業者が両手仲介をしようとするからです。

そういう気持ちになること自然なことです。事業者は利益を追求しますからね。



ここからが大問題。(人間の性悪説

両手仲介をしようとすれば、ほかの不動産会社への情報を操作するようになります。

先に他社に売られないようにするためです。

売れていないのに売れたと偽ったり、商談中といって囲い込んだり…



また、他社の広告を規制します。

特にインターネット広告。

すべてがそうではありませんが、弊社のホームページを見てもわかると思いますが、

どれだけ多いことか…


信頼していただいている売主様の立場になって考えてあげなければなりません。

プロとして誇りを持たねば…